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創作文 『彼』

悪夢のループへ再び

 

彼はある日気付いた。

 

パチンコにのめり込んでしまったために、多くのお金が失い、また大切な時間を犠牲にしてしまったことに。

 

彼はもう若者とはいえない年齢だ。それまで費やしてきた膨大なパチンコ時間に罪悪感に似た感情を抱く。

 

「取り返しのつかないことをしてしまった?」
「もうパチンコをやめよう」

 

そう決意したものの、彼は再び賑やかなパチンコ屋の前にやってきた。

 

パチンコ屋に来たのはとくに理由はない。パチンコへの興味自体は薄れているのは事実だが、彼には他に行くところがないのだ。

 

そして「打つつもりはないよ」とパチ屋へ入る。

 

パチ屋の中に入るとたくさんの人達で賑わっていた。老若男女がひしめき黙々とパチっている。若い店員は忙しそうに駆け巡る。何連荘さしたかたわからないほど箱を詰んで意気揚々とした爺さんもいた。

 

けたたましいまでに鳴り響くBGM。
活気ある雰囲気。。 店員のアナウンス・・。

 

「あ〜、楽しいそうだ。」
「嫌なことが忘れられるんじゃないかな?」
「お、あの台はなかなか良さそうだな・・・。」

 

こうして彼は「ホンのチョットだけ」と打ってしまう。

 

しかし打ち始めたが最後、かつての大勝ちの興奮した記憶が蘇る。熱いリーチがかかると心臓がバクバクと鼓動する。

 

「当てれ!!」
「・・・、次の大きなのを外したらやめるか?」

 

そう自己問答くりかえしているうちに、財布の中がすっかりカラッポになっていたことに気付いた。

 

「あ〜やってしまった・・・」

 

彼は後悔したが、あともう少しで当たりしそうだという根拠のない予感が頭をよぎる。そして再びコンビ二ATMに行き現金をおろして続行することを決意した。

 

ここでやめておけば良かったのに、どうせ負けるのなら最後までと預金をおろして再び勝負へ向かった。すると、

 

「やった!当たった!!」

 

コンビ二から帰ってきてからすぐのことである。運良く確変図柄が大当たり。そして確変が続く。続く・・。出球が積み重なる。

 

換金した額は投資当初の三倍に膨れ上がり、彼は再びあぶく銭を手に入れたことに歓喜した。

 

今まで使った金額からいえばほんの少し戻ってきただけなのに、彼にとってはまるで大儲けしたような心持ちであったのは言うまでもない。

 

彼は一度はパチンコを卒業しようと決意したものの、再びパチンコであぶく銭を手に入れたしまい、それまで後悔した当初の気持ちは吹き飛んでしまった。

 

もしあの時やめていれば、大負けして痛い目にあっていれば彼はパチンコをやめれたのかもしれない。しかし幸か不幸かわずかな金を手にいれたことをきっかけに、再びパチンコ生活へ戻ることとなってしまうことになる。彼は今もパチ屋に存在する。(終)